オーストラリア絶滅危惧種の動物達

環境変化により絶滅危機に直面している動物達 “オーストラリア編”

環境変化により絶滅危機に直面している動物達オーストラリア編

急激なスピードで姿を消していく生き物達

本日はオーストラリアで環境の変化によって、動物達がどのような影響を受けてしまっているのかをお話ししたいと思います。

世界には約175万種の動物が存在していると科学的には言われていますが、実際には300万種~1億1100万種もの生き物が生存しているという推計もあります。

そして、現在人間が引き起こしている環境破壊活動によって過去とは比較にならない速度で動物達が絶滅の危機に陥っていると問題視されています。

1600年~1900年の間、1年間で生物種が絶滅する速度は0.25種だったのに対し、1975年以降、生物種が絶滅していくスピードは1年間に40,000種と急激に上昇し、現在も日々沢山の生き物達が姿を消しています。その原因の一つとして固有種の生息地破壊につながる土地開発や侵入生物の影響があげられています。

現在、絶滅危機種にある生き物の総数は、28,338種と言われています。

山火事の被害により多くの命を落としたオーストラリア動物・コアラ達

オーストラリアの代表的な動物といえばどんな動物を思い浮かべますか?

私がよく耳にする動物はカンガルーとコアラです。

こちらのコアラやカンガルの有袋動物はオーストラリアの固有動物です。その他にも1,300種以上の固有種がオーストラリアには存在していると言われています。

以前、クロコダイル・ハンター (Crocodile Hunter) の愛称で、国内外のテレビで活躍していた、スティーブ・ アーウィンさんという、動物園の経営者、そして環境保護運動家でもあった彼が生きていた頃はクロコダイルも有名だったのかな?と思いますが、アーウィンさんがアカエイに刺され突然この世を去ってしまった今ではオーストラリア=クロコダイルというイメージは薄くなったように思います。

話は戻りますが、12月12日現在、9月からNSWで勃発した山火事が未だ終息を迎えておらず、沢山のオーストラリアの動物達が命を落としています。

その中には、オーストラリアの代表的な動物、コアラもいます。今の時点で1,000匹以上のコアラが命を落とし、今回の山火事によって最大80%ものコアラの生息地をが破壊したと言われています。

動物達が姿を消していってしまった理由

オーストラリア動物を絶滅危機に・深刻化する山火事

今回の山火事によって、コアラの数は確実に減少し、絶滅危惧種の仲間入りをしてしまいました。山火事の原因はおもにオーストラリアの乾燥地帯での条件によるものが大きいと言われています。

もし良ければ、この山火事の原因についてもう少し詳しく書いてある記事がありますので、そちらもご参照ください。→オーストラリア、深刻化する砂漠化現象の理由は?

人間活動による自然破壊

オーストラリアで絶滅危惧種にあげられている、コアラ、コロボリーヒキガエルモドキ、フサオネズミカンガルーなどは人間活動による自然破壊によって絶滅の危機に追いやられてしまったといっても過言ではありません。

例えば、限りある資源を便利な世の中と引き換えに、動物達の住む森林伐採や地面のコンクリート化、沿岸部の埋め立てなど、生息地破壊につながる土地開発などによりどんどん自然が破壊され、多くの生き物達が命を落とし、行き場を失っています。

外来種の侵入による生態系のバランスの崩れ

外来種とは元々、その地域に自然分布していない生き物達が人間の手によって運ばれてきたことを言います。

近年、国内外の発達に欠かせない物流交換による輸出入。その際、国と国を渡り、その土地に存在していなかった生き物や植物の侵入が起きてしまうことがあります。また、意図的にペットや家畜生産による外来種の導入をしていることもあり、その外来種の存在によって生態系のバランスが崩れてしまうことがあります。

ただ、全ての外来種が悪い、という事にはならずその中には、人間のきちんとした管理下にあれば生態系を崩さず暮らしていけることもあります。また、初めは影響がないと思われていた外来種でも歳月を得て、生態系に悪影響を及ぼしていることがわかるケースもあります。

それでも、間違いないのは人間の手によって外来種は運ばれてきてしまったということです。外来種の侵入によって、その地域にある自然が破壊されるということは、実は私達人間自身の手による自然破壊だということも忘れてはいけないところです。

外来種問題を重点視するオーストラリアは入国時の検疫検査が世界で最も厳しい

オーストラリアは世界の中でも最も厳しい検疫規制がされていることで有名です。入国する際には、入国カードに持ち物をしっかり、明確に申告をる必要があります。外来種の種は持ち入り禁止、靴に泥がどっぷりついている場合は申告をして時には検査されることもあります。

また調理済みの食品、お菓子類などでも卵や乳製品、ナッツ類、生の肉製品、果物や野菜の持ち込みは厳しく制限されています。検疫で正しく申告をしないと罰金を請求されたり、最悪の場合は逮捕ということもありますので、申告書には正直にチェック✓を入れましょう。

おわりに

今回はオーストラリアで絶滅危惧種にある動物達の話をしながら環境に関わるお話をさせていただきました。

それぞれの国が、その土地に存在している動物、植物、生き物の文化を大事に壊さないように、保護対策を取り入れたり、個々でも、全ての生き物は必ずみんな繋がっていることを忘れずに、有効な資源や命を大切にしていけたらいいですね。