今もなおNSW(ニューサウスウェールズ州)で燃えつつけている山火事によるコアラの救出活動と今後の保護対策についてお話ししたいと思います。
年末年始の休日もコアラや野生動物のレスキュー体制に整える救助隊員達
野生動物の救助隊員はクリスマスや年末年始の休日も、24時間体制で山火事やオーストラリアの干ばつの被害を受けた野生動物の入居レスキューの体制を整えています。
2019年の9月以降発生したNSW州の山火事は、その他の4つの州で400万ヘクタール以上の土地の土地を焼き払った壊滅的な森林火災は今もなお燃え続けています。(2019年12月28日現在)
今週末、12月29日にはNSW(ニューサウスウェールズ州)SA(サウスオーストラリア州)VIC(ビクトリア州)では再び暑さが増す天気になると予想され緊迫した状態が続いています。
ポートマッコリーのコアラ病院ではクリスマスの日に救出された72頭のコアラの治療にあたっています。この森林破壊でコアラの生息地4分の3が燃えてしまったと言われています。
援助金でコアラの飲料所、給水車の充実を確立
10月に設立されたオンラインプラットフォームGoFundMeによる募金活動では、当時の目標である2万5千ドルを大きく上回り、210万ドルが調達されました。これにより、コアラの飲酒所を設ける事ができ、追加の資金調達により飲酒所を補充するための給水車の充実、また野生コアラの繁殖プラグラムを確立することができました。
ポートマッコリーコアラ病院は、野生生物の象徴であるコアラに対するオーストラリアをはじめ、国際社会からの手厚い支援に大変感謝していると述べています。
コアラは本当に絶滅してしまうのか?
ニューサウスウェールズ州に生息しているコアラの数は約15,000〜28,000匹と推測されていますが、今回のような壊滅的な火災で、コアラの減少についてWWFは、このまま動物達の生息地の破壊が続けば2050年までにコアラが絶滅に向かう可能性が大きいと指摘しています。また、コアラを絶滅に追い込んでいるのは、主に森林破壊であり、干ばつや山火事、降水量の低下による気候加熱の影響による傾向が悪化しているため、と示唆しています。
コアラが食べる事で知られているユーカリの木は、火災後の再生に適していますが、この木を根本から破壊してしまうほどの非常に熱い火事が発生しています。現時点で約3億本もの木が火災の影響を受けていると言われています。
コアラの絶滅危機を救うためにできることとは?
果たして私達がコアラの絶滅危機を救うことはできるのでしょうか?
実は、森林再生のおかげでコアラの個体数が回復した例が多くあるそうです。
コアラの個体数を回復させるにはコアラの繁殖に必要な広大な生息地と森林の再生が必要です。土地の開拓を止め、木を再生させ、近親交配を避けるために必要な500匹以上の後輩集団が必要であり、その規模にはかなりのコアラの数が存在しなければならないと言われていますが、もしこのような条件環境を作ることができれば、コアラの絶滅危機を救うことは可能だと言われています。
おわりに
自然保護協議会の広報担当者、ジェームズ・トレメインは、コアラの衰退が「ゆっくりと静かに」起こっていて、その数は過去20年の間で急落している。この現象を食い止めなければ、現在、危急種であるコアラも本当に絶滅危惧種の仲間入りをしてしまうだろう、と述べています。
オーストラリアの環境・動物保護団体をはじめ、多くの市民は今後、オーストラリアのアイコン象徴でもあるコアラの生存保護に対して全力でサポートしていく意向をみせています。
一刻も早い山火事の終息を願います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
オーストラリアで減少している動物達とその要因について書きました。
コチラ>>>環境変化により絶滅危機に直面している動物達ーオーストラリア編ー