オーストラリアの砂漠化, オーストラリア山火事 放火

史上最悪のオーストラリア山火事、放火容疑で250人を起訴

史上最悪のオーストラリア山火事、放火容疑で250人を起訴 Ozkoi

2020年2月に終息を迎えた史上最悪のオーストラリア山火事は「人為的」なものが原因だったという説

前回の記事でお伝えしましたが2019年から続いていた世界で最も被害の大きかった山火事が2月に終止符を迎えました。前回の記事を読んでみる

この森林火災で沢山の人達が、「気候変動」の危機を訴え日々の生活の在り方を考えるきっかけとなりました。

その一方で、オーストラリアの山火事は毎年起きているもので、気候変動には関係ないと言う人もいます。

オーストラリアの内務大臣が山火事は「気候変動」が原因ではないと発言

オーストラリアの内務大臣、ピーター・ダットン氏は、放火容疑で250人が起訴された今回の山火事は気候変動が原因ではなく、人為的な放火による影響が大きいとABC放送局のインタビューで答えました。

トラリア山火事放火Ozkoi

https://www.abc.net.au/news/2020-02-18/fact-check-peter-dutton-arson-250-charged/11971454

ピーター・ダットン氏は、オーストラリアが例年より暑く長い夏を迎えていることを認めましたが、ABC TVのプレゼンターであるカルベラス氏が、2月5日のインタビューで「気候変動が原因で今回のような山火事が始まったのでしょうか?」と尋ねると、

「いいえ、そうではありませんでした。誰かが地域に火を放ったから始まったのです。これまでに250人以上が放火で起訴されたということは、気候変動が原因ではないということです。」と述べました。

しかしこの発言に対し、1部のソーシャルメディアや政治家による陰謀論があがっており、RMIT ABC Fact Checkは、ダットン氏の発言に基づく内容を検証し、放火が今回の森林火災の原因であるという証拠は全くないと主張しました。

陰謀論というのは、石炭会社やその利益を促進する企業や組織が、気候変動の現実と猛威を否定し、この惨事の本質を上手く操ろうとしていることがあげられています。

オーストラリアの石炭輸出量は世界の3分の1を占め、その輸出量は化石燃料全体で世界の二酸化炭素(CO2)排出量の約7%を占めるとされていますが、オーストラリアのスコット・モリソン首相は石炭産業の縮小を求める市民や環境活動家達の声に対し、「沢山の雇用が失われることになり、その労働者たちを放棄するつもりはない」と石炭産業の縮小を拒否しています。

また、ピーター・ダットン内務大臣はスコット・モリソン首相と同じ自由党で前回の選挙で党首を争った議員でもあります。

放火と自然発火による火の大きさと広がりの違い

さらに、RMIT ABC Fact Checkの研究によると、「自然火災」は、一般的に落雷によって引き起こされることが多くその距離は通常、都市部から離れた地域で起こる事が多いと言います。それに対し、放火は都心部からそう遠くない地域で始まる可能性が高いと発表しました。

タスマニア大学の環境変化生物学の教授でもある山火事専門家のデビッド・ボウマン氏は、この壊滅的な大火災の多くは、嵐後に起きた落雷によって引き起こされた地域から始まったことが分かっていると述べました。

RMIT ABC Fact Checkはダットン氏の言い分には曖昧な部分があり、自身が言及している山火事、放火についての期間を特定しておらず、データの明確化とソースを求め、彼のオフィスに連絡したてみたところ、ダットン氏は追加することは何もない、と回答しました。

山火事の放火に関するデータの比較は管轄区域および政府機関によって異なるアプローチを取るので、放火を犯罪として記録したり定義する場合に、不透明な部分が生じてしまうのが問題となっています。

今シーズン山火事で起きた放火件数のまとめ

以下、ABCファクトチェックがまとめた調査結果です。
https://www.abc.net.au/news/2020-02-18/fact-check-peter-dutton-arson-250-charged/11971454

ニューサウスウェールズ州:2019年8月1日から2020年1月24日までの間で意図的に火が放たれた、とされる申し立てに対して、55人が「法的措置」を受けました。 NSWの警察によると、法的措置は、注意の発行から刑事告発の執行まで、深刻な範囲に及びます。意図的に火を点けた55人のうち、何人が起訴されたかはわかっていません。

ビクトリア州:ビクトリア警察の広報担当者は山火事シーズン中の野焼き火災の放火に関連した多くの逮捕があったと述べましたが、これらは東ギプスランドと北東部の一部を崩壊した山火事とは関係ないと発表しました。

クイーンズランド州:2019年9月10日から2020年2月までに、109人が過失、または計画的に火をつけた犯罪で警察に対処されました。このうちの36人が成人で、73人が未成年でした。しかし、QLD州の警察が提供する数字は、過失と計画的に起こした火災の区別をしていません。さらにQLD州の警察によると、どちらの放火にしろ多くの場合、学齢期の子供達によって火が起こされたと述べました。

西オーストラリア州:12月以降の山火事放火に関連した犯罪で起訴された人はいませんでした。西オーストラリア警察の広報担当者は、大量の森林地帯が焼かれた大部分の火災は、雷によって引き起こされたと述べました。

タスマニア州:2019年8月1日から2020年2月6日までの間に、植生に不法に火をつけたという疑いで3件の罪状と青少年へ3件の警告があったことを報告しました。タスマニア警察の広報担当者は、この犯罪がタスマニアの「山火事放火」に最も密接に関連していると述べました。

オーストラリア首都特別地域:今シーズンの火災による山火事放火で告発はありませんでした。オーストラリア連邦警察によると、火気全面禁止令がだされた日に1人放火で起訴され、さらに2件の事件が調査されています

ノーザンテリトリー:2019年の中頃から、6人が意図的、または過失による山火事を引き起こしたと告発されました。

おわりに

オーストラリアで起きた今回の山火事で、こんなに沢山の放火による発火が原因かもしれないというのは驚きですが、実はこの数の中には子供の火遊びや夏休み中のキャンプやバーベキューなどを楽しむイベントで火災に繋がってしまうケースが多く含まれています。

年々乾燥や干ばつが問題化しているオーストラリアでは発火しやすい条件が整ってしまったとも言えるでしょう。オーストラリア砂漠化の理由ついて読んでみる。

世界でも最悪の事態を引き起こしたオーストラリアの森林火災が「気候変動」によるものであるにしろ、そうでないものにしろ、オーストラリアの高温と干ばつが延焼に繋がった原因であることは事実として挙げられています。

「気候変動」という言葉は沢山の人々に危機感を与え、今直面している環境問題に目をむけさせました。また、その一方で色々な説は数え切れないほど飛び交っていますが、環境問題を悲観的に考え不安を大きくしてしまうよりも、今ある自然や生き物、大地を大切にしていこうという1人1人の気持ちがあれば、行動や考えも根本的な部分から変化を起こしていけるのではないでしょうか。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。