みなさんこんにちは!
本日はオーストラリアのビクトリア州がゴミの分別として分ける「ゴミ箱」の種類を、今後10年の間に2種類から4種類に増える可能性がある、というお話しです。
埋立地に運ばれる廃棄物の80%削減を目指し、家庭用ゴミ箱を4種類の色で分別する
オーストラリアは今まで、約90パーセントものリサイクル可能な資源ごみ処理を中国、アジア諸島に輸出していましたが、2018年1月には中国の資源ごみ輸入受け取りが禁止され、行き場をなくした資源ごみはオーストラリア国内で処理をしなければならなくなりました。その時の記事はこちら「オーストラリアが抱えるごみ問題を5分で解決」
ビクトリア州の首相、アンドリュース氏は「徹底的なリサイクルシステムの見直し」に着手するため、46の議会にまたがるビクトリア州のおよそ100万世帯に4種類のビン(ゴミ箱)が分配される、と発表しました。
これは、今後の10年間で埋立地に運ばれる廃棄物を80%削減する計画の一環として、2つの新しい政策、4ビン(Bin)・システムとコンテナ・デポジットスキームを計画したものです。
https://www.theage.com.au/national/victoria/victorians-to-get-cash-for-bottles-scheme-20200224-p543ms.html
新しいゴミ箱の色は、赤、緑、黄色、紫色になります。
現在ビクトリア州世帯で使用されているゴミ箱の色は大抵が緑色と黄色の2種類です。オーストラリアのゴミ箱の色、種類についてはこちらの記事をどうぞ。
4つの分別ゴミ箱の詳細は以下です。
赤色:一般ゴミ
黄色:プラスチック、金属、紙
緑色:食物、庭の有機物(草や枝など)
この中でごみ処理場に送られる35%は食品廃棄物が占めているそうです。
住民は新しいゴミ箱の追加費用を支払う必要は今のところありませんが、今後議会が追加の収集費用をカバーするために料金を引き上げるかどうかは現在の時点では不明です。
また政府は、新しいゴミ箱への展開の支援としてサステナビリティファンドへ1億2,900万ドルを援助するとして2030年までにはビクトリア州の世帯が4種類のゴミ箱を保持している状態を作ることが目標としました。
ビクトリア州の廃棄物の量は過去18年間の、2000年のゴミの排出量740万トンから2018年には1340万トンと、約2倍増加しています。
ビクトリア州政府が、46の評議会と協力して、新しい紫色のビン(ゴミ箱)を展開する予定のCouncilリストは以下の通りです。
- Ararat Rural City Council
- Ballarat City Council
- Banyule City Council
- Bayside City Council
- Boroondara City Council
- Buloke Shire Council
- Campaspe Shire Council
- Cardinia Shire Council
- Colac Otway Shire Council
- Corangamite Shire Council
- Frankston City Council
- Glen Eira City Council
- Glenelg Shire Council
- Greater Dandenong
- Greater Geelong City Council
- Hepburn Shire Council
- Hindmarsh Shire Council
- Hobsons Bay City Council
- Horsham Rural City Council
- Hume City Council
- Kingston City Council
- Knox City Council
- Latrobe City Council
- Loddon Shire Council
- Manningham City Council
- Mansfield Shire Council
- Maribyrnong City Council
- Melton City Council
- Mitchell Shire Council
- Mornington Peninsula Shire Council
- Murrindindi Shire Council
- Northern Grampians Shire Council
- Pyrenees Shire Council
- Queenscliffe Borough Council
- South Gippsland Shire Council
- Stonnington City Council
- Strathbogie Shire Council
- Surf Coast Shire Council
- Swan Hill Rural City Council
- Warrnambool City Council
- Wellington Shire Council
- West Wimmera Shire Council
- Whittlesea City Council
- Yarra City Council
更にリサイクル業界制度見直しの一環としてコンテナ・デポジットスキーム(容器預託制度)を導入
容器預託制度とは、消費者が飲み終わった瓶やボトルを、地域に設置されている回収機(Reverse Vending Machine)へ投入することで一瓶¢10などのリターンがもらえるシステムのことを言います。
これは、小売業者が販売時点で瓶やペットボトルなどの飲料価格に少量のデポジットを追加することで機能しています。
お店は商業者から商品を仕入れ、その商品を消費者が買う、そして消費者は飲み終わった瓶やボトルを回収機(Revere Vending Machine)へ持っていき、返金されるという仕組みです。
集まった容器はリサイクルされ、集めた消費者にもリターンがあるという循環型リサイクルが可能になります。
この容器預託制度は1977年、南オーストラリア州がどこの州よりもいち早くコンテナ・デポジットスキーム(容器預託制度)を始めており、2012年にはノーザンテリトリー、2017年ニューサウスウェールズ州、2018年ACT州、そしてクイーンズランド州が引き続きました。
また、南オーストラリア州の飲料容器の返品率は80%に達しています。 2005年以降から数えると埋め立て地へ送られるはずだった約60億個以上の容器がリサイクルされていることになるそうです。
西オーストラリア州とタスマニア州は現在、積極的にコンテナ・デポジットスキーム(容器預託制度)の導入体制を整えており、どうやら残すところはビクトリア州だけとなりそうです。
ビクトリア州政府はコンテナ・デポジットスキームの導入はできるだけ早く確立されるべきで、2023年までには、容器預託制度の設置を実現したいと述べました。
おわりに
私が幼児期に過ごしていた昭和時代は学校給食用や宅配用の牛乳は回収されて再利用されていましたが、途中から紙パックに置き換わった記憶もあります。そんな様子をふと思い出し、今の給食ってどうなのかな?と少し覗いてみたくなりました。ラムネやソーダ水などの空き瓶を入れたコンテナを駄菓子屋や酒屋の前でよく目にしたりしたな、と懐かしい記憶が甦りました。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。