本日は前回、食品ロス削減でできることの1つで書いた、コンポストについてお話したいと思います。
コンポスト、といっても色々な種類や堆肥方法があったり、いざ始めてみよう!と思ってもいったいどれを選んでいいか分からない、ということもあると思います。
そこで、今回は私自身がオーストラリアで始めた、ミミズコンポストのお話をしたいと思います。
ミミズコンポストの優れているところ
●庭の土に良い肥料を与えることができる
●庭が小さくても設置できる(段式のみみずコンポストは庭がなくても設置できます。)
●1度購入してしまえば電気などの使用もなく経済的
●家族みんなで生態のサイクルを学べる
ミミズコンポストは家庭から出る生ごみや有機物を分解して栄養価の高い堆肥を作ってくれます。
みみずの糞や尿は堆肥や液肥として利用することができ、今回のように直接土に埋め込んだタイプのミミズコンポストは周りの土壌にもその栄養たっぷりの養分を分散してくれるので、庭に植えている植物たちを元気にしてくれます!
今回私が選んだのは土に埋め込むタイプですが、段式になっている容器もあります。
みみずコンポストは容器の中を正常な状態に保っていれば悪臭が発生せず、非常に良質な堆肥、液肥を使用できることが特徴です。
みみずコンポストを選んだ理由
コンポスト、と言っても色々な種類がありますが、その中でなぜ私が直接土に埋め込むタイプの「ミミズコンポスト」を選んだかというと、理由は以下になります。
①家にコンポストを置くスペースが限られていた
②最も簡単でシンプルに思えた
という以上2点です。
上記の内容をもう少し深く説明していきますね。
① 家にコンポストを置くスペースがない
私の家は都心部からそう離れていない場所にあり(ちょっとした都会?)昔ながらのビクトリアンハウスと言われている家で、家の作りも古く庭のスペースがありません。
ところが、調べていくうちに、見た目もコンパクトで狭い庭にも置けそうなみみずコンポストを発見したのです。更にこのコンポストはリサイクルできる容器です。
円錐台の形をしていて縦横50㎝以上、土が掘れる深さが約40㎝程あれば設置できます。一度設置したらミミズを約500匹ほどと、あとは家庭からでる生ごみを投入していけばいいだけです。
私の家は直ぐ近くに飲食店もあり、ネズミの心配もしていました。この辺りにはネズミも多く更に増えるのが恐ろしく、どうするか悩んでいました。
ところが、ネズミの問題も、コンポストを利用している人に聞いてみると、お肉などを入れなけば大丈夫、土に穴を掘って設置すれば、ネズミは入れないからやってこない、などの意見をいただき、そんなに心配しなくていいのかもしれないと思えるようになってきました。
② 最も簡単でシンプルに思えた
更に決めてとなったのはこのコンポストが何よりもシンプルな処理方法だと思ったからです。
他のタイプのミミズコンポストは段式になっていたり、数日に1度はかき混ぜないといけない、などの取り扱い方法がありますが、このコンポストは一度設置してしまえばあとは様子を見ながら、生ごみが堆肥化するまで放っておけば大丈夫だというのです!
土の中に直接埋め込め容器に穴も空いているので、いざとなればミミズが自由に行き来でき、土全体が自然と元気になっていく。これは複雑な作業が苦手な私にもピッタリだと思いました!
*こちらのミミズコンポストは時々、ミミズ達の経過を見たり最終的に堆肥が溜まったらそれを取り除く作業はしなくてはなりませんが、それまでに行う途中のプロセスがほぼありません。
ミミズコンポストをすることのメリット
①家庭から出る生ごみを簡単に減らせる
オーストラリアでは年間約500万トン以上もの食品廃棄物が埋め立て地へ送られています。またその量は家庭から出るごみの約35%になると言われています。どうしたらこのような食品ロスを個人で減らしていけるのか、というお話は前回の記事でさせていただきましたが、家庭でコンポスティングをする、というのはその方法の1つです。
②堆肥化した土を庭に使えるので庭が元気になる
コンポストは家庭からでる生ごみや落ち葉など、自然の有機物を堆肥化してくれる、つまりは栄養源を作ってくれる優れものです。私の庭は陽のあまり当たらない場所ですが、少しでも栄養が広がり植物が元気に育ってくれたらいいなと思っています。
③元気な庭でハーブや野菜、お花を育てることができる
元気な植物を育てる事はみつばちの住みやすい環境作りにもつながります。
みつばち達はポリネイターとも言われ、受粉を助け、私達の食生活に大きく貢献していくれている存在です。みつばち達がいなければ、私達の食卓にある食べ物の70%が姿を消すだろう、と言われています。ところが、その重要な役割を果たしてくれているみつばち達が、環境問題やその他の様々な要因から数が減少し続け絶滅の危機に至っています。
私が環境問題に目を向けるようになったのはこのみつばち達の存在があったからなのです。
このお話しも今後記事にしていけたらいいな、と思っています。
ミミズコンポストを始める時の注意点
ミミズコンポストを始めたばかりの時は食物を与えすぎてもいけません。始めた日から1~2日おいてから生ごみなどのエサを少しづつ与えていきます。
みみずが消費できる量より多くの食物を与えてしまうと有毒な環境を作り、悪臭を放つ環境を作り出してしまう可能性があるからです。
はじめは少量の生ごみと前回の生ごみを、みみずが約半分以上食べたのを確認できた後、新に生ごみや紙などを加えていきます。また、投入するフルーツの皮や野菜の残りなどを細かく切ると、生ごみが腐り始める前にみみずが食物をすばやく分解することができるので、悪臭を避けることができます。
<みみずコンポストの適度なバランス>
✓40-50%
食品廃棄物
✓50-60%
紙、段ボール
✓適量な水
特に段ボールなどを追加する際に水をまく
<みみずコンポストに入れてもいい生ごみ>
✓野菜や果物の皮や残り
✓使用後のティーやコーヒー豆
✓細かくした卵の殻(オーブンで乾燥させてバラバラにすると更に良い)
✓紙、カーボン、トイレットペーパーの芯、新聞紙
✓埃や髪の毛
<みみずコンポストに入れない方がいいもの>
✓魚、肉
✓乳製品
✓プラスチック、アルミホイル、有機物でないもの
✓玉ねぎ、ガーリックなどのスパイシーフード
✓柑橘系の食べ物
✓オイルや光沢のある紙
✓ケミカルのついた植物
✓犬や猫などペットの廃棄物
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おわりに
以上本日は簡単に始められる「ミミズコンポスト」のお話をさせていただきました。
オーストラリアではコンポストを置いてる家庭は珍しくなく、比較的手軽に始められる食品廃棄物削減への取り組みなのかなと思います。
日本でも各自治体の機関を使って家庭用生ゴミ機(ミミズコンポストなど)の購入補助制度が出ているようです。もしご興味のある方はぜひこういった機関を利用してみるのもいいかもしれません。
また、ミミズコンポスト以外にも各ご家庭にあった方法でコンポストを見つけることが可能だと思うので、少しでも生ごみを減らしたいな~と考えていらっしゃる方はぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
こちらが実際に私がミミズコンポストを作ってみた時の動画です。もし作り方などに興味がありましたら観てみてくださいね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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