アジア人に対する人種差別報告が2週間で178件を超える
オーストラリア、クイーンズランド州で、新型コロナウイルスのパンデミック以降、アジア人に対する冷やかな対応や敵意に満ちた言動、差別的な苦情が4月に入ってからの2週間で178件報告されました。
オーストラリア人権委員会は、過去2か月間に人種差別の苦情を提出した約4人に1人がCOVID-19が原因で標的にされたと述べています。これは人種差別に関する申し立てが、今年の月間最高件数を記録したことになります。調査によると、事件の62%は女性に対して行われ、またその行為の86.5%は見知らぬ人によって受けたものだったということです。
また、オーストラリア人権委員会は、苦情の報告に関して厳格な機密保持のため詳細は公表できなとしていますが、毎月沢山に及ぶ苦情が寄せられていると述べました。
悪意があると感じた人種差別の実例
中国の武漢で始まった新型コロナウイルスのパンデミックに取り組む国として、オーストラリアにいるアジア系コミュニティの多くが、COVID-19に関連する人種的虐待の事例を報告しています。
先月、中国人留学生のクリスティン・チェンさんは、メルボルンの路面電車の停留所でマスクを着用し電車を待っていると、見知らぬ人に「コロナウイルス!」と叫ばれたと報告しました。
パンデミックをきっかけに全国で人種的暴力が報道され、唾をかけられたり、香港の学生が顔を殴られる事件なども起きました。
人種差別委員会の、チン・タン氏は「コロナウイルスは人種や国籍とは関係ありません。私達全員が抱えているウイルスに対する恐れや困難への不満は、差別の言い訳にはなりません。」とよびかけました。
オーストラリア、スコット・モリソン首相の感謝の言葉
またこれに対しオーストラリアのスコット・モリソン首相は、「このようなことは大変間違っているし、とても残念な出来事です。初期の頃に中国から来たウイルスの拡散を封じ込め、制限をすることは非常に重要でした。当時オーストラリア人全員に先導し、実際にオーストラリアを保護したのは中国人のオーストラリアコミュニティでした。彼らが初期の段階で設定してくれた対策方法に非常に感謝しています。」と述べました。
クイーンズランド大学で心理学の講師を務めるマイケル・タイ氏は、「パンデミック時の反アジア人種差別は、アジア系オーストラリア人コミュニティーの人々の生活に打撃を与えています。コロナウイルスに関して他の誰もが感じているストレスと、コロナウイルスの保持者であると非難され、このウイルスを持ち込んだという追加のストレスの両方から、複合レベルのストレスを経験しています。」と話しました。
また、もし偏見や差別を感じるような行為を受けたとしても、一人で悩まず社会的ネットワークを構築し仲間や友人と話しを持つ場を作って下さい。と語りかけました。
人種差別の相談窓口
人種差別委員会は、国民は苦情を申し立てる方法についてほとんど知識を持っていなかったと述べ、人種差別や攻撃的な行為を受けた場合、人種差別相談窓口のウェブサイトで苦情を申し立てることができると周知しています。
情報は、中国語、インドネシア語、ヒンディー語を含む23の言語で利用できます。
電話番号1300 656 419
電子メール:infoservice @ humanrights.gov.au
ウェブサイト:www.humanrights.gov.au/complaints
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
様々な文化と民族が集まるオーストラリアについて書きました。
コチラ>>>多様な民族が暮らす多民族国家オーストラリア
マスクをしないオーストラリア人にマスク着用義務化!について書きました。
コチラ>>>新型コロナウイルス感染拡大により、メルボルンでマスク着用義務化!