オーストラリア、社会問題

【新型コロナウイルス】オーストラリアの経済が回復に向かうカギとは?

【新型コロナウイルス】オーストラリアの経済が回復に向かうカギとは?

新型コロナウイルスの影響により、オーストラリアも他の国々と同じように多大な経済的打撃を受けています。

現在オーストラリアの失業者に対し、政府は事業雇用主と求職者への支援として、Jobkeeper Jobseekerの補助金、また生活保護の支援をしています。

しかしソーシャルディスタンスなどの長引く規制による経済打撃とそれによる膨大な費用が懸念されています。

このJobkeeper は9月末まで法制化されていますが、追加の支援措置については7月23日に発表されるとのことです。

現在JobKeeperは2週間おきに約1500ドルの支払いを350万人の労働者へ、更に100万件以上の企業を支援しているとオーストラリア政府は発表しています。

コロナ危機による企業存続と今後の見通し

しかし、政府からの支援終了後、通常のようにビジネスが始められるという保証がない中、雇用主は存続をかけて踏ん張っていかなければならないという大きな不安とプレッシャーを抱えています。

オーストラリアの雇用状況は、過去10年間で平均1.6%程度の成長を遂げましたが、そのうちの3年間で非常に強い雇用が見られ、2%以上の成長を遂げました。

経済状況が正常に戻ると言えるのはそのレベルの成長に戻ったとき、と言えるしょう。

けれど今後、この数値があがったとしても、急激に下がった成長数値は過去の打撃をふまえて計算する必要があります。

たとえ雇用が年率2%で成長し始めたとしても、2020年3月の経済状況に戻るには3年近くかかるだろうと言われています。

オーストラリアの人口は増加し続けることが考えられているので、雇用状況はまだ悪化すると考えられていますが、そのこともふまえ雇用している成人の割合から雇用率を見る必要があると言われています。

経済回復を知るカギとなる労働時間

雇用状況はこの2ヶ月間の間で62.6%から58.4%に低下しました。Source: Greg Jericho Source: ABS 6202.0, Table 1, derived Get the data Created with Datawrapper

1990年代の景気後退になる前、成人の59.7%が雇用され、そのうち47.1%がフルタイムで働いていました。

しかし、雇用率が回復し始めた10年後の2000年には、全成人の43.8%がフルタイムで稼働しており、その数値は少し下がっています。

今年初めの総雇用率は、ほぼ水準に戻っていましたがフルタイムで働く成人の割合は約2.5%減少しました。

また、新型コロナウイルス以前に、成人1人当たりがフルタイムで働く労働時間のレベルは4%以上の低下を見せていましたが、今では15%に下落しています。

失業率の跳ね返りによって小売価格がジェットコースターのようにアップダウンをみせる可能性がありますが、一人当たりの労働時間に焦点を当てていくと、生活の暮らしや経済が正常に戻ったことを知らせる強力なガイドラインになることがあげられています。

少なくとも一人当たり毎月の労働時間が85.7時間に戻るまでは、経済に刺激を与えたと認識するのは早い段階だと言えるということがあげられています。

おわりに

オーストラリアの新型コロナウイルスの死亡者は102人にとどまり、他国に比べても感染を大きく抑えられていました。

しかし、先日6月23日現在、ビクトリア州で17名の新たな感染者が見つかり、140人のアクティブ患者が確認されているため、新型コロナウイルスの第2波の回避によるロックダウンが再び検討されています。

 

オーストラリア、経済回復に向けての意向について過去記事
コチラ>>>オーストラリア、労働者への新型コロナウイルス安全対策を確保し経済の回復を目指す意向

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