みつばちが人間の食料生産を助けている重要な送粉者?
きっとご存知の方も多いと思いますが、みつばちは私達人間の暮らしにとっても重要な役割を果たしてくれている食料の供給者です。
私達が毎日栄養のある野菜や甘くて美味しい果物、コーヒー、チョコレートなどが食べれるのは、花と花を行き来し植物の媒介者として受粉を担い、花や実を成らせてくれているみつばち達がいるからです。
みつばちの受粉によって食べることができている食物
花をつける被子植物は大陸に存在する植物の9割を占めていると言われ、その殆どがみつばちのような送粉者(ポリネイター)によって繁殖しています。世界食糧農業機関によると、食料の90%をまかなっている100種類以上の農作物種のうち、70%以上がみつばちを経由して受粉していると言われています。
<みつばちの受粉によって供給されている食物>
生態系のバランスを支えるみつばちの存在
みつばちは1日に約3,000カ所の花を訪ねることができ、受粉を繰り返します。
夏場のみつばち達の寿命は約1か月、毎日働き続け、一生かけてとれるハチミツはティースプーン1杯と言われています。
こんなに一生懸命に働いて集めてきてくれた蜜を私達人間は美味しくいただいているのです。
受粉を介すみつばち達(ポリネイター)は、植物を元気に実らせ、そしてその花や実を鳥達が食べにやってきます。
その排泄物に含まれる種子がまた他の場所で芽を育み、森の中にいる微生物や小さな虫たちは枯葉や糞を分解し森を元気にしていきます。森が元気にればそこから流れていく川や空気も綺麗になっていくのです。
こんな小さなみつばちが私達の食糧を支えてくれているだけではなく自然や人間の暮らしまでを支えてくれていたとは思いもしませんでした。
みつばちは地球上の生態系のバランスを整えている重要な役割をしていて、いなくてはならない存在だったのです。
減少し続けるみつばちの絶滅危機
みつばちの群衆が姿を消す異変は2007年頃、アメリカで起きました。ある日突然、授粉用に飼育されていたみつばちの3割以上が突然巣箱から姿を消してしまったのです。
この現象を、蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder)とよび、アメリカをはじめ、世界各国でこのニュースを大きく取り上げました。
ハッキリした原因は断言できていませんが、おそらく、みつばちに寄生する‘’ミツバチヘギイタダニ‘’によるバロア病が重大な要因だと言われています。
また、今では研究者の大半が、病原体や殺虫剤、地球の温暖化による生態系の変化など、さまざまな問題が背景にあると考えています。
みつばちにも自分自身にも少しだけ優しい生活をしてみよう!
●自分にもみつばちにも優しい生活を心がけてみる
私達は便利さに慣れ過ぎて、大事なことを見失い過ぎていないでしょうか?
目の前の欲望や便利さだけを手に入れるために自然を破壊し続けるという事は自らの生活を壊していく事にもつながりかねません。
人間は1人では生きていけないし、その周りにはかならず持ちつ持たれつの関係を築きながら生かされている環境があるはずです。
花が咲くことはそこに吹く風や生き物達がいてくれるから、大きな深呼吸ができるのもそれを供給してくれている森があり空気があるからです。
そんな身の回りの生き物達を大切にするということは結局自分自身の生活を大切にすることにも繋がると思っています。
●生態系を壊す除草剤の使用を避ける
ネオニコチノイドが入ってる除草剤の使用を避けましょう。家庭の中でも、知らず知らずに使っていることがあるので、成分をチェックして、そういった生態系を壊す原因となる薬品の使用をできるだけ減らすように心がけてみましょう。
●みつばちが大好きな花や木を植えたり、種をまいてみよう!
みつばちが受粉してくれる花を増やし地球に存在している生き物が仲良く一緒にいきていけるように、花や種をまいてガーデニングを楽しもう!
●買い物をする際はミツバチに優しい材料、製法で作られた食品や製品の選択を心がける
例えば、プラスチックの使用を控える。お水はペットボトルの水を買うのではなく、家の水を水筒にいれて持ち歩く、サンドウィッチや野菜に包むラップはミツロウラップを使ってみる、環境支援している企業などから商品を買ってみる、など身近にできる優しい選択を心がけていきましょう。
おわりに
科学技術が物凄いスピードで発達してきた今、同時に沢山の物も失われてきています。
だからこそ、今一度、失われつつある生き物や環境に目を向けてみてることが大事だと思います。
そして、その根源を知ることによって感謝の気持ちを持つことは、きっと自分の身の回りのものに対しても優しくなれる事だと思っています。
物をただ消費していくだけではなく、これからは保護したり再生していく、ということも今の私達にできることであり、必要なことではないでしょうか。
1人1人の小さな優しい心がけが、これからの地球の未来を支えていくことができると感じています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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